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【FF15RE】序盤ストーリー構成に関する推論

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CHAPTER3まで進行しました。CHAPTER3からは移動できる範囲が一気に拡大します。つまりはオープンワールド性が高くなると言えると考えます。「オープンワールド」は本作の大きな側面であり、オープンワールド性が高まるタイミングは本作全体のプレイフィールを左右する重要な契機になりえると思います。この契機に対して本作のもう一つの大きな側面「RPG」としてのストーリー構成がどのように付随しているかについて、改めてプレイして思ったことを書きたいと思います。

 

以下に今作のストーリー展開に関して触れますので、一応ネタバレ注意です。

 

ユーザーに与えらえる情報が不足しており展開が唐突になっている

今作のCHAPTER1からCAPTER3開始までストーリーを大きく纏めると以下のように進行します。

▪️CHAPTER1~3 までの大まかなストーリーの流れ

  1. 主人公たちが王女様と結婚するために旅立つ
  2. 目的地に向かうために港から船に乗る
  3. 王都(主人公たちの故郷)が陥落
  4. 王都を復興させるための力を得るため、「歴代の王の墓」をめぐる旅にでる

CHAPTER3からは旅の目的がかわり、「歴代の王の墓をめぐる」となります。今までは「結婚のための目的地に向かう」だったので大きな範囲は移動できませんでしたが、「各地をめぐる」必要がある以上、大きなマップを移動しなくてはならない。これが今作の「オープンワールドへの導線」になっています。

まずは「狭い範囲で慣れさせた」後、「広いマップへ導く」という形ですね。ゲーム構成だけをみると、シリーズ初の試みである「オープンワールド」に適応させる親切な設計だと思います。

しかしこのゲーム構成を優先した結果なのか、ストーリー構成がいびつになっているように感じます。この場面、「3. 王都が陥落」の展開が唐突すぎるのです。

上記ストーリー展開の1~4まではプレイ時間で言えば、5~6時間のうちに進行します。その中でストーリー展開の1~2の大部分は「プレイイングのチュートリアル」に費やすことになり、ストーリー展開にかかる時間はほとんどありません。この間にユーザーに対してこの間に与えられるストーリーに関する重要な情報は以下のものだけだと思います。

▪️ストーリー展開1~2 までにユーザーへ与えられる情報

  1. 主人公の身分(王都の王子)
  2. 旅に出る理由(王女と結婚するため)
  3. 旅に出ている途中、王都と帝国でなんらかの条約を結ぶ

「3」に関しては、旅立つ際に主人公の父親(現王)との会話で触れられるのみであり、「王都が陥落する」という大きな展開を迎えるユーザーに対して、「王都と帝国の関係性」や「主人公の仲間の素性」、「王都とはどんなところか」などの情報が一切与えられていません。

よって「王都の陥落」に触れるユーザーの心情としては「遠い国の出来事」「対岸の火事」のように感じます。それは当然として「本当になにも知らないから」。

 つまりゲーム構成上の大きな契機となる「オープンワールド性の向上」に付随するに足る、大きなストーリー上の転換となる「王都の陥落」に対して、ユーザーの心情を操作するための情報が圧倒的に不足しており、ユーザーとキャラクターの心情の大きな乖離が生まれてしまっているのではないでしょうか。

一応「王都陥落」の際に、映画「KINGSGLAIVE」のカットシーンがいくつか流れます。映画「KINGSGLAIVE」はこの条約調印式前後について触れた作品なのですが、このカットシーンでも「王都が陥落した」ことに関して映像で補強しているものの、そもそもの問題として「王都陥落前のユーザーに与えられる情報の不足」に対してはなんら影響を与えるものではないと考えます。

このあたりに今作の評価を決める重要な事実が潜んでいると感じられます。そもそもオープンワールドゲームにおけるストーリーテリングについて、ある程度リニアにならざるを得ないストーリーテリングと、リニアなプレイ進行を排除することを目的としたオープンワールドの宿命の間に生まれた不調和をどのように解決するかという問題が存在しております。それを「ストーリーの大部分を過去にすること」で見事に解決した「ゼルダの伝説 ブレスオブワイルド」などの例もありますが、FF15はその解決を果たすことが出来なかったのではないかというように現時点では感じます。

 

もしそうだとすると私個人の無印FF15プレイ時の「熱中したけど、面白くない」という感想とも矛盾なく共存します。簡単にいうと「ゲームとしては面白いけど、ストーリーがいびつ」ということです。この結論自体は真に迫っているような気もしますが、まだそれだけではないと思いますし、またこんな序盤でそう言い切ってしまうのもどうなの? (新たに購入した意味が。。。)という気もしますので、まだ続けます。

 

いろいろ言ったけど「2周目」だと気になりません

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上にいろいろ書いといてなんなんですが、上記のように「情報の不足」に関しては「2周目」、つまり「ほぼすべての情報を事前に得ている状態」であれば、あまり気にならなくなります。すでに得ている情報で自律的に補完することが可能なので。

そうなってくると本作は「FF13」の二の舞のような気がぷんぷんしています。「FF13の問題は一本道だったことなのか?」について、またいつか書くかもしれませんが、私はFF13の問題は「一本道」(ストーリードリブン)だったことではないと考えております。

はてさてそれでも2回やっていろいろ考えさせられるというだけで、十分「オモチロイ」と言ってもいいような気もしている今日この頃でございます。

本日はこの辺で。

 

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